The DECKに入会されたのが2018年5月。それまでのキャリアについてお聞かせください。

 

The DECKに入会する前は、会社員として、組み込み開発を手掛けている東大阪の中小企業で働いていました。主な取引先はメーカー企業です。仕事内容は、メーカー企業製品の動作テストをするための装置やソフトを作ることが多かったです。なので、取引先の方々は、ものづくりをしている開発部隊の人たちばかり。技術者同士でのやり取りの日々でした。

 

専門用語が飛び交うような日常だったのですね。その技術者の世界からキャリアを変えて、個人事業主としてThe DECKを拠点にご活動されていますが、独立されたきっかけは何ですか?

 

仕事を日々こなすなか、本来の開発業務以外にバックオフィス寄りの仕事もてがけるようにになりました。総務の人と一緒になり、社内のサーバー管理、グループウェアの導入、教育訓練の制度を作るなど、社内の情シス担当のような動きをしていました。総務の人をサポートするような立場で、前職の終盤は3割ぐらい、このことに時間を使っていました。

 

特に指示されたわけでもなく、そのような動きをするようになった経緯を思い出すと、前職の会社は色々と未整備で、特にバックオフィス周りの仕組みを誰も整備や改善できない状態でした。たまたま業務系のシステムに知見があったこともあり、ついついその状況に口出ししてしまったところからスタートした感じです。そこで関わったジャンルを自ずと学んでいくうちに、技術者がこのあたりのセンスを持ち合わせた状態、というのは一つの武器に出来そうだな、と考えた末に個人事業主として独立し、そのタイミングでThe DECKに入会しました。

困っている人を放っておけない。そこに今のお仕事の原点が見えてきた気がします!技術者の植田さんは、機械よりも人に関心があり、気持ちがそちらに向いていき、行動が伴って、遂には独立に至りました。今のお仕事とその魅力についてお聞かせください。

 

会社同士で頼み事をするときに、ある程度明確にして初めて、頼まれた方は見積もりができる。しかし現実的には依頼者は、ふわっとした感じで頼みたいわけです。そうなると、頼まれた方は(内容が明確じゃないだけに)安全を考え見積額が膨らんでしまいます。それでは頼み事が簡単にできなくなる。そこに依頼者の困りごとがあります。どこにどう頼んでいいかわからない、という困りごとです。

あるいは、会社同士の頼みごとにするには規模が小さすぎて、受ける側にとって「割に合わない」と判断されてしまう仕事なんかもありますよね。会社に比べて諸々の手順が少ない分、個人だとそういうふわっとした状態から取り組みやすいんです。会社同士であれば発生するであろう手順を飛ばして、ふわっとした状態から取り組める分、結果的には早く終わりますし、価格的にも個人のスケールになるので、低コストになってWIN-WINです。

 

一方、僕は一人で仕事をしているため、仕事を受けたからには、絶対終わらせるという心理的なプレッシャーがあります。それはそれとして捉えつつ、必要があれば土日も働くなどして、対応しています。あらためて思うことは、一人で仕事をしているメリットは、「一人でやってしまった方が早い」を思う存分発揮できるところですね。

「植田さん」個人で仕事をすることに、こだわっているもう一つの理由とは!

 

一人でさくっとできるからコスパがよく、双方にいいという話しをしてきました。そこにあるもう一つの理由は、自分がもし会社(法人化し、複数の人で成り立つ組織)として仕事を受けたら、うちも会社同士の頼み事になってしまう。そうしたら、うちとしての価値、つまり、面倒な手続き部分を飛ばした上でふわっとした状態からも依頼を解決できる価値が失われてしまいます。

 

「やらないといけないことは判っているけど、そもそもどこから始めて良いか、どう頼んで良いかが判らない」会社が、この価値を必要としています。その価値を提供するために、僕は、個人として仕事をしています。

 

まさに、植田さんが「放っておけない会社」ですね。これからどんな分野を特に手掛けていきたいですか?

そうですね、仕事のきっかけはシステム設計や開発の頼み事を受けることから始まります。その中で、バックオフィス寄りの仕事に繋がればと思っています。前職で経験したような情シス的な内容の他、キャリアコンサルタントの資格も取得したのですが、これらを全部受ける仕事はまだしたことがないので、徐々に広げていきたいです。

 

 

The DECKの会員になってよかったことは何ですか?

 

TSTジャパンの古田さんとの出会いですね!たまたま、The DECKを利用していた日に、TSTジャパンの古田さんも利用されていました。そのときに、The DECK代表の森澤さんからお声がけいただき、古田さんをその場でご紹介いただきました。TSTジャパン日本法人の代表として忙しく動き回っていらっしゃる古田さんと、僕がたまたまそこに居合わせたこと、そして、双方の事業内容と、双方が抱えるニーズをThe DECKさんが把握しておられたからこそ、そのタイミングで繋がることができました。コワーキングスペースならではのことですね。

(右が古田さん 左が植田さん)

 

The DECKに期待したいことをお聞かせください。

これからもいろんな方とお繋ぎいただきたいです。なぜなら、僕は自分からガンガンいくタイプではないので(笑)。お声がけいただきたい方々とは、例えば、

  • ・ 外注した機器が届いたので動かしてみたが、実際動かなくて、困っている方。
  • ・ ハードウェア企業とのコミュニケーションで困っている方。
  • ・ ハードウェアの設計と説明が細かすぎて、自分には使いにくく、困っている方。
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  • ソフトウェア担当者とハードウェア担当者の「スキマ」だったり、開発者と使用者の「スキマ」。このような「スキマ」を埋めてほしいというニーズをもつ方がいらっしゃったら、僕がそのスキマを埋めることができます。特にハードウェア絡みは現物があった方が、圧倒的に話が早いです。最近ではリモートワークも有力な選択肢となっていますが、The DECKで現物を使った検証や開発が出来れば、一段上の作業効率が実現できると思います。ただ、開発品は企業にとって機密扱いであることが多いので、そこをクリアできる道があると、メーカーサイドの方とのコラボも実現しやすくなるんじゃないでしょうか。

 

ありがとうございました。

 TSTジャパンの日本法人代表の古田兼三さんと植田さんをおつなぎさせていただきました。その結果、古田さんと二人三脚でTSTジャパンのIoT機器のハードウェア設計に関わっておられ、大変うれしく思っております。今後も様々な分野でご活躍されている方ともお繋ぎさせていただけれたらと思います。