インタビュー:The DECKユーザー小野 真人さん/インタビュアー:The DECK コミュニティコーディネーター向井 布弥
ものづくりを通して社会貢献を目指す
なぜ「地元愛パズル」を作ろうと思われたのですか?普段会社員をされている小野さんですが、ものづくりをするような分野のお仕事なのですか?
いいえ、普段はクリエイティブな分野の仕事をしているわけではありません。世の中にオリジナル作品を残し、作品を通して世の中の役に立ちたいという想いがあふれてきたことがものづくりのきっかけです。作品を手にした人の顔が見られるものが望ましく、何が一番身近かな?と思ったときに、「こどもたちが喜ぶもの」を作りたいと思いました。
4歳・6歳のお子さまがいらっしゃいますよね
家に都道府県パズルがあり、子どもたちが遊んでいました。その様子をみているうちに、市町村がピースになったパズルを作ったら面白いんじゃないかという発想がわいてきました。今大阪に住んでいるということもあり、まずは大阪の市町村をパズルにしようと決めました。
私も今大阪に住んでいますが、いったいいくつ市町村があるのですか?
大阪府には43市町村があります。私も調べるまで知りませんでした。知らない町、初めて聞く地域も多くあり、作る過程で関心を持つようになりました。そうした中で、一つ一つの市町村のかたちが、別の何かに見えてくる感覚をおぼえました。
お子さまと一緒にこの町は何に見えるかと想像力を出し合って生まれたピースはありますか?
ありますよ。サメ、ひよこはこどもたちの発想です。市町村の形を見て、動物や乗り物、家具、食べ物などモチーフを考え、パワーポイントで絵を描きました。仕事をしながら合間に作業をしていたので、43市町村をそれぞれのモチーフに仕上げるまで2~3か月かかりました。
パワーポイントの機能だけでここまで表現されるのは本当にすごいです!絵ができた後のアクションは?
パズルの素材を何にするか決めていなかったので、ひとまず2ミリの厚紙やマグネットシートに印刷し、はさみやカッターを使い手作業でカットしました。しかし断面が斜めになり、見た目が悪くなりました。小さい地域は細かいカットができないということもあり、さっそく行き詰りました。思案していたら妻がネットで「ものづくり カッティングマシン」と検索し、The DECKさんを見つけ、ここなら力になってくれるかもしれないと提案してくれました。
奥様がThe DECKを見つけてくださったのですね!実際お越しになってからのスタッフの応対はいかがでしたか?
The DECK代表の森澤さんは私の「作りたいけど作り方がわからない」というふわっとした相談にも、とても親切にご案内いただきました。親身に相談にのっていただき、ものづくり専任スタッフの中橋静花さんに繋いでいただきました。初回面談では、パワーポイントのデータは、そのままではカッティングマシンに出力ができないことがわかりました。MDFという安価で入手しやすい素材でピースを作り、シールを貼ってデザイン面を表現するという提案を受け、試作を依頼しました。具体的な提案を受けてイメージに近いものができるとわかり「先が見えた!」という嬉しい気持ちにでその日は帰宅しました。
スタッフの中橋がパワーポイントのデータをお預かりし、機械加工ができるようillustratorでaiデータに書き換えさせていただきました。制作は再来店いただき一緒に加工作業をしていただいたのですか?
はい。その後再来店しました。シール用紙にデザインを印刷し、カッティングマシンでカットすることで各ピースごとのシールができました。パズルのピースはMDFをレーザーカッターでカットしたのですが、切断面に加工時のすすが手につくことが課題となりました。作品を持ち帰り、メラミンスポンジなどでふきました。そのあとピース1枚ずつにシールを貼ったのですが、はみ出さないように貼るのが難しかったですね。すすを拭くところからシールを貼り終わるまで約2時間かかりました。
実際に6歳の娘さんはパズルで遊ばれたのでしょうか?
はい!「おもしろい」と夢中で取り組んでくれて、20分ほどで完成していました!こちらがその動画になります。
娘さんが地元愛パズルを完成させる様子(早送り動画)※The DECKのYouTubeチャンネルにリンクします
今月の目標は焦げない素材を探すこと
これからの課題はレーザーカッターでカットしたとき、断面がすすけないようにすることです。そのために素材をアクリルやヒノキや杉などの木材で再チャレンジします。中橋さんと引き続き試行錯誤をご一緒いただく予定で、心強く思っています。
The DECKのものづくりサポートサービスについての印象をお伺いしてもよろしいでしょうか
イメージを形にするための知識と技術の提供をしていただけることに感謝しています。素材は何を使うといいか、コスト面、テイスト、仕上がりイメージから2~3候補選択肢を提示いただけるところも助かりました。丁寧に話を聞いていただき、ものづくりにいたった背景や、気持ちまでくみ取っていただき、嬉しく思っています。代表の森澤さんからは、材料の提案以外にも、子どもたちが遊ぶ際リスクとなること(誤飲についてなど)についての対策案もお話いただき、作ったその先のことにも思考を巡らせることができました。The DECKさんに出会えてもやもや感が解消できたと感じています。今後の夢は全国の都道府県ごとに「地元愛パズル」を作ること!
その夢もご一緒させていただけたら嬉しいです!日本全国の市町村にキャラクターを付けた偉人として語り継がせていただきます。小野さん、今日はものづくり途中経過のインタビューにお応えいただきありがとうございます。完成を楽しみにしています!