この記事は #コワーキングアドベント2023 の20記事目です。
「コワーキングがあるとき〜」
「わっはっはっはっは〜」
「ないとき〜」
「。。。。。。」
関西人ならこのフレーズで人生にはコワーキングが必要だということがお分かりいただけるでしょう
(もうすぐ)メリークリスマス!!ふーみんです。
大阪の堺筋本町にある「ものづくり」ができて「グローバル」で「コミュニティがあったけぇ」コワーキングスペースThe DECK(ザ デッキ)でコミュニティコーディネーターをしています。
2017年に大阪に引っ越し、前職の時にコワーキングを知り、大きな衝撃を受けたことから私のコワーキングジャーニーが始まりました。
せっかくの機会なので、私のコワーキングライフを振り返る形で、コミュニティが生まれ、繋がり、成長していく様子を記事にしたいと思います。
前職時代にThe DECK代表の森澤友和さんに出会いました。私にとって、コワーキング運営者とのはじめての出会いでした。私のコワーキングジャーニーはこの幸運な出会いが始まりだったと言えます。奈良の田舎から出てきて、コワーキングを知らずに運営に関わることになった私に、彼は親身に相談に乗り、先輩コワーキング運営者に私のことを紹介してくれました。私は先輩たちに会いに行き「運営者同士がコワーキングしてもっと世の中にコワーキングの素晴らしさを伝えたい。市場を取り合う競合ではく、市場を育て大きくする仲間になりたい」気持ちを伝え、コワーキング運営者が思いや活動をシェアする場を企画、運営していきました。
こちらが2018年6月に開催した第1回目の例会 (詳細はレポートリンク)
2〜3ヶ月に1回お互いのコワーキングスペースに集まって情報共有をしたり、プロジェクトを立ち上げるための打ち合わせをしました。
入社して間もないくせに社外のコワーキング仲間をいっぱい引き連れて会社で例会を開く私。当時の社長に無茶振りして登壇もしてもらいました。最初はコミュニケーションがない場所貸しビジネス感満載だった前職のオフィス事業も、コワーキングの仕組み・マインドで運営するようになってから会員さん同士の繋がりやイベントが多数生まれ、起業家支援を加速させることができました。
コワーキング仲間の中でも率先して私をぐいぐい引っ張り出して教育してくれた兄貴分がいます。京橋にあるOBPアカデミアというコワーキングスペースのコミュニティマネージャー的ポジション(年間1000イベントを回す企画の鬼。伝説の男)時任啓佑さん(今は武庫川女子大学勤務)。彼が伊藤富雄さん(日本で最初にコワーキングを始め、その素晴らしさを伝え続けている偉大な方)に会わせてくれました。伊藤さんがコワーキングの価値、活用法、マインドセットを体系づけてお話いただいた内容の一言一句に感動し、私は衝撃を受けました。「ユーザーはお客さまではなく仲間」「コミュニティマネージャーは管理する人ではなくお世話する人」「コワーキングはハコではなくヒト」というメッセージは本当に胸の奥に届き、今でも私の価値観のベースになっています。
左の手前から2人目が伊藤さん(師匠)右の手前から2人目が時任さん(兄弟子 あ。目つむってる・・・)Beyond the Coworkingというイベントの打上げの写真です。この日伊藤さんと出会い、コワーキングの真髄というか薫陶を授かった私は、コワーキングにかける情熱がさらに強くなり、コワーキングに対する衝動的感情をどんどん言語化できるようになっていきます。そしてコワーキング仲間の縁を加速度的に広げていくのです。
サークル活動的に集まっていたコミュニティ活動でしたが、志(こころざし)同じくする熱い仲間が集まり、機が熟した!ということで、公認の部活的な働きをするようになりました。つまり任意団体になり、口座を作り、選挙で代表を決め、分科会からコワーキング横断プロジェクトが生まれるようになったのです。
2019年夏。自分たちでコワーキングフォーラムを開催しよう!!と決め、動き出しました。
OSAKA INNOVATION HUBをはじめ多くのコワーキング仲間が一丸となって企画、運営、当日の進行、記録、レポートなど役割分担して実現したコワーキングフォーラム関西2020。2020年2月7日に開催。つまりコロナがニュースになり始めた頃です。この翌日から全てのイベントが開催延期や中止になっていきました・・・。ギリギリすぎるし、みんな元気でよかった。同時に関西の30施設をめぐることができるコワーキングチケット関西2020プロジェクトもその後開催。逆風が吹く中での新しい取り組みでしたが、多くの学びと成果が、The DECKとしても、関西Beyond the Communityとしても得られました。
フォーラム開催後も活動は停滞することなく次のアクションの決起大会。「こんな時代・こんな状況だからこそ、コワーキングという仕組みが人々の暮らしも仕事も勇気づけ助けになるし、絶対に必要だ」と確信していきました。思いが強くなりすぎた私はもっとコワーキング活動に集中できる環境を求め、森澤さんが代表を務めるThe DECK株式会社に転職しちゃいます!!
私を受け止めてくれた森澤さん(愛称Tomoさんと呼んでいるのでここからはTomoさんで)は入社時にこんなビジョンを話してくれました。
「僕は世界から日本を見てきたから、日本の未来にすごく危機感を感じている。10年後、20年後、”日本円”の市場がどんどんシュリンク(縮小)してしまうかもしれない。どんな国政、経済状況、時代になったとしても、The DECKに関わる人は、そんな状況に巻き込まれず一緒に沈んで行かないように世界レベルでコワーキング(共働)していきたい。そんなボーダレスな社会を実現していきたい。ふーみんも、会社員とか主婦とか女性とか日本人とか、そんな枠組みから離れた視野と価値観を持って一緒にここ(The DECK)から世界を変えていこう。僕たちならできる。もう家族のように思っているよ」いたく感激したので、大切に書き留めて、ことあるごとに反芻しています。このビジョンに私の人生目標のベクトルが重なった感覚を今でも覚えています。
The DECKとは、空母の甲板(かんぱん)を意味するデッキから着想を得ています。「この船に乗って、みんなを誘って世界中・日本中の人とコワーキングしよう。そして、コワーキングの共助の精神こそビジネスを加速させ、個人の力も、組織の力も何倍にも膨らます仕組みであることを証明しよう」
そのために「まずはThe DECKがビジネスの面で成功しないと!」と気合を入れました。
その後さらにコワーキングの輪を広げるべく、Tomoさんと共に、前出の伊藤さんが運営する日本初のコワーキングスペースCahootz(カフーツ)を訪ねました。そこでめちゃくちゃめちゃくちゃ語り、これまでの来し方を伺い、哲学に触れ、刺激を受けました。
The DECKでは前職から得意としていた起業家支援、とくに女性起業家支援の窓口WINGを開設したり、スタートアップに優しい低単価で事業住所を貸し出しさらに事業促進支援を行うバーチャルオフィスサービスをリリースしました。さらに、経産省が旗を振ってはじまった女性起業家応援プロジェクト、LED関西のサポーター企業にもなり、サポートデスクを設置。毎年そこからファイナリストを輩出しています。そしてファイナリスト全員にThe DECKの会員権(半年+事業促進支援)を提供しています。
そんなこんなで目の前の人の夢の応援を私も夢中になってしていました。まさにコミュニティコーディネーターは私の天職だと思います。大海原を自由に泳ぐイルカかクジラの気分で仕事に従事していました。プライベートでも神様は運を添えてくれて、お腹に赤ちゃんがやってきてくれました。社員は私しかいなかったので、コワーキング仲間に声をかけて日替わりコミュニティコーディネーターを育成し、引き継ぎました。
一人は京都の盟友タナカユウヤさんがコワーキングツアーで連れてきてくれたご一行の中の参加者、石田奈津子さんをその日にヘッドハンティングさせてもらって仲間に引き入れたり・・・w「私の出産と育児とThe DECKを手伝って!」とメッセージを発信すると、The DECKの価値観とビジョンに共鳴してくれたすごくスキルが高くてユニークなスタッフが揃い、The DECKはさらにパワーアップしました。これもコワーキングの魅力です。採用コストは0円。価値を最大化させる最強スタッフを1-2週間で得ました。明日から産休という日。普通に帰ろうとしたら引き留められました。「ちょっとここで待っていて」と。みるみる人が集まり、コワーキングを通して出会った、会員さん、取引先さん、他社のコワーキング仲間、会社役員、コミュニティコーディネーターたちの家族が続々と来店。「え?え?え?」どゆこと?みんながサプライズで「出産がんばれ。帰り待ってるで会」を開いてくれたのです・・・!(号泣に次ぐ号泣)
バイオリンの演奏、子どもたちからのお手紙、1か月くらいかけていろんな人に依頼して書いてもらったであろう大量の寄せ書き旗(2メートルくらいある)、お花や愛あるたくさんのメッセージ。
こんなに人を愛し、愛される人生になるなんて想像もしていませんでした。コワーキングありがとう。このコミュニティに迎えてくれてありがとう。
時は流れ、無事息子を生むことができたのですが、彼にはギフトがありました。とっても珍しい難病で、筋肉が弱く、NICU生活と退院後も私が鼻から管を通してミルクをあげていました。お医さまのみたてでは、「保護者がずっとついてあげる形のサポートが必要で、すごくゆっくり成長するだろう。保育園も難しいから療育園に保護者同伴で通うことになるだろう」と。
「・・・・・・・・・ま じ か」
The DECKにかえれないのかな
何日も何週間も何か月もなんとかできる方法はないかと考えたのですが、答えが見いだせず。ありのままをTomoさんに相談しました。「もう隣で働けないかも」
心理的にぼーぜんと立ち尽くしたままでいた私にTomoさんは何て言ったと思いますか?
「そんなふーみんこそ、コワーキングで未来を切り開き、同じように悩み苦しむお母さんの力になれると思うんだ。その状況にならなければ知ることが無かった世界が見えたわけでしょう。それは絶望ではなく、ビジネスのチャンスだよ。例えばThe DECKの2階を医療的ケア児と一緒に出勤して医療サポートを受けながら仕事ができるコワーキングサービスをするなど方法はいくつもあるはずでしょう。The DECKに入社してくれた時に伝えたように、ボーダレスな社会を身近なところから実現させたいと思っているからね。だから、自分に制限や壁をつくらないで。一人では解決できないことはコワーキングという仕組みとコミュニティの力を借りて、乗り越え、理想を現実にしていくことができるんだから」
そう、彼はそういう人なのです。小さな会社ほど社長がすべてと言うけれど、The DECKのコーポレートミッション "Make It Happen" はTomoさんの人を思いやる愛情がベースに流れています。だから彼はコワーキングを中心に据えた事業で本当の意味で人に寄り添い、自分たちも、かかわる人も成功するため奮闘している。そのことを私は個人としても受け取り、実感し、感激しました。
Tomoさんに背中を押してもったことで意識改革したというか、むしろ最強なマインドでモデルチェンジした私は育休中もリモートで連携したり、親子コワーキングしにThe DECKにちょくちょく来たりするなど、The DECKと繋がり続けることですごくポジティブな精神状態で育児ができました。会員さんに順番にだっこしてもらい無表情だった息子は抜群にいい笑顔をするようになり、今ではウルトラスーパーなコミュ力を発揮していますw 子育てすらコワーキングで楽になる(グレードアップする)のです。
↑育休中は育休中の女性の起業支援にいそしむ図(事業計画のブラシュアップやリモートでもできる販路拡大・マーケティング支援をしていました)
育休復帰後、LED関西のファイナリストによるビジネスプラン発表会にも参加。女性ならではの視点で生まれたビジネスばかり。そんな繋がりが広がったことで、彼女たちを励ましたり、励まされたり、手伝ったり、手伝ってもらったり。それに、コロナの打撃でへこんでばかりもいられない。起死回生のコワーキングジャーニーを加速させていきます。
コワーキング仲間とオンラインとオフラインで何度も意見交換し、小さな規模のイベントを通じてコワーキング界としての結束を強めていきました。時は満ちた!ということで、2020年のコワーキングフォーラム開催後に夢見た「京都、神戸、大阪でコワーキングフォーラムを開催する三都物語」プロジェクトが動き出したのです。
2022年8月コワーキングフォーラム関西2022in京都開催。集合写真の時もまだマスクを着けている。
2022年10月コワーキングフォーラム関西2022in神戸開催。だんだんマスクが取れてくる。
2022年12月コワーキングフォーラム関西2022in大阪コワーキングしたい欲が全国規模で炸裂して400人規模のコワーキング祭になる。
そして今年、2023年もコワーキングフォーラムが京都で開催されました。数珠繋ぎでどんどん縁が広がり、コラボやプロジェクトが各地で起こり、深く広く繋がり続けていっています。コワーキングはもはやコワーキングスペースという施設(箱)の中だけのものではなく、どこまでも越境し、多様性と可能性を広げています。関わる人にも、地域にも、それぞれの事業にも益するものなのです。
さて、私がコワーキングに出会って今日までをふりかえったのでえらい長くなってしまいました。ここまでお付き合いいただいた方、お疲れ様でした。
最後に、来年以降のビジョンを書いて締めくくりたいと思います。
コワーキングアドベントカレンダー17日の投稿で古家さんも書いていましたが、2024年は過去最高のコワーキングを味わっていただけそうです。そのためにもまずはコワーキング運営者同士のコワーキングを過去最高レベルにし、2024年は日本規模、そして2025年の大阪・関西万博の時期には世界規模のコワーキングをここ、大阪・関西から発信していきまっせぇ~!!!!わくわくするでしょ?ワクワクした人はもう私たちとコワーキングすることが決定しましたので、「ワクワクしちゃった」と連絡くださいね!
Beyond the Communityの仲間(67のコワーキングスペース等から170人の同志)との定例会の写真で締めくくりたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いいたします。