TheDECKを会場に開催された「アートの世界を大阪から」【CRECON6】レポートの後編です。

レポート前編では、クリエイター向けオンラインサロンの可能性や、クリエイターの可能性を広げる技術、NFTとは何か?という内容について触れられたことをご紹介しました。

後編では、 実際にアーティストがNFT作品を出品する様子や、「NFTをどうアートに活用すれば良いのか」という内容を中心にレポートします。

NFTの販売や購入方法の具体的な手順については、CRECON6のアーカイブ動画(53:50頃)をご覧ください。

 

日本のアーティストが海外での仕事を得るには?

Chignittaの笹貫淳子さんは、年間30を超えるアートプロジェクトで日本と海外をコーディネートされている経験から、海外のアート市場に明るい方です。その観点から、「世界と日本のアート市場」についてお話を伺いました。

 

笹貫さんによると、日本人アーティストほど海外を意識している層はいないと言います。

その根底にあるのは、「日本のアート市場が世界に比べて成熟していない」、「若い人の作品の価値が認められにくい」、「海外で成功すると自己ブランディングに繋がる」などの理由だそう。さらに「海外で仕事を取るためには、SNSを活用することが大切」と強調されます。特に最近の海外の大手企業は、Instagramで個人のイラストレーターを探して、仕事を依頼するケースが増えているそうです。

 

それをふまえ、Instagramを使ってアーティストが海外の仕事を獲るポイントをいくつか伺いました。

・フィード投稿をポートフォリオとしてまとめ、関係のない投稿はしない
・自分が仕事をしたい国の言語で、作品紹介やハッシュタグを付ける
・仕事をしたい相手のアカウントを絡める

「どうしたら相手の目に留まるか」と意識することが大切だそうです。現在、世界で12億人以上のユーザーがいるInstagramを活用することで、様々な角度からアプローチできますね。

 

アーティストがNFT作品の出品に初挑戦!

 

そんな海外への作品発表のきっかけとするべく、Chignitta所属アーティストのアワジトモミさんと坂口拓さんに、世界最大手のNFTマーケット「OpenSea」で実際に作品を出品していただきました。

 

まずは、動くアニメを製作しているアワジさんに作品を出品していただきます。アワジさんは、「定額販売」(Set Price)で「0.03ETH」(販売時点のETH価格で約1万円)の価格を付けて出品することにしました。

 

アワジさんが実際に販売された作品はこちら。(実際にはアニメーションで動く作品です)

驚いたことに、出品してすぐにアワジさんの作品が購入されました!まさかこんなにすぐ買い手が見つかるなんて誰も想像しておらず、現場のスタッフも騒然となりました…。

 

アーカイブ動画には、皆が驚いている姿が記録されていますので、ぜひご覧ください!

今注目されているNFTアートには、本当に無限の可能性がありますね。

TheDECKはその可能性が実現する場所の一つ。想いが実現するスペース"Make It Happen"をビジョンに掲げています。様々な属性の方が集い、アーティストの無限の可能性を実現するための人脈が揃っています。また、デジタルコンテンツの世界だけでなく、手に取るアートが実現する場所でもあり、手法を超えて、アーティストの想いが実現するスペースです。

 

出品後アワジさんにNFTの感想を伺うと、「最初は漠然とし過ぎていて何なのかまったくわかりませんでしたが、やってみると楽しかったです!出品後、本当に出品できてるのかな?と不安になってしまうくらい簡単でした」と仰っていました。普段からインターネット上のサービスを利用している方であれば、簡単に出品や購入ができます。例えるならメルカリにアカウントを作って、商品を掲載するぐらいの、一度経験してしまえばなんでもないぐらいの拍子抜けしてしまうような簡単さです。

 

次に、グラフィックデザイナー・イラストレーターの坂口さんに作品を出品していただきました。

坂口さんは、「オークション形式」(Highest Bid)で作品を出品しました。「1週間」という設定にしたので、誰かが入札してから1週間の間でオークション販売が行われます。入札が入るとリアルタイムで確認できるため、楽しくなりますよね。(こちらもその後入札があり、落札されました!)

坂口さんが実際に販売された作品はこちら。(実際にはアニメーションで動く作品です)

 

坂口さんに出品した感想を伺うと、「ウォレットを作るのも出品をするのも、想像以上に簡単でした。SNSアカウントを開設したり、ECサイトを使ったりするのと同じくらい。一度経験したら、SNS投稿をするような感覚で気軽に出品できると思います」とのこと。

配信中にも「これなら自分でもできそう!」というコメントが度々見られました。

 NFTの出現によって変革が起きるアート業界

NFTの出現によって、アートの概念に新たな側面が加わりました。「高尚でとっつきにくい」というイメージのあったアートが、より身近になり、かつ単なる作品ではなく様々な概念の総称となっていくと考えられます。

 

NFTは、もはやアーティストの可能性を広げるツールとなり得ます。技術や制度に振り回されず、しっかり活用するイメージをもって触れていただければと思います。そうすれば、自分の作品を世界に広げたい!というアーティストの想いが実現します。そのきっかけに今回のイベントがなれば、TheDECKにとってこんなにうれしいことはありません。

 

放送後、主催者の伊丹谷さんと藤原さんそしてMCの西上さんに、イベントを開催しての感想を伺いました。

 

伊丹谷さん

世界があり得ないスピードで変革を迎えている中、『どうすればこのテクノロジーとクリエイターが向き合っていけるだろう』と考えました。時間が経てば、スマホを皆が使いこなすように、 NFT も当たり前のものになるでしょう。しかしこの技術にはまだ余地があり、仕組みが完成するまでの可能性が多く残されています。そこで、1人でも多くのクリエイターができるだけ早く、そして正しくこの技術を理解することで、自分の武器にしていけるのではないかと思っています。皆で楽しみながら学んでいきましょう!」

 

藤原さん

「配信の視聴者数の多さからもわかりますが、NFTやブロックチェーン技術に興味をもっているクリエイター層が非常に多いと感じました。一方で、まだまだ技術視点で高尚に語る人達が多くて、わかりやすく降りてきてる人がいないので、もっともっと一般人の生活レベルまで落とし込むことが大事だと思っています。」

 

西上さん

「アーティストの方はもちろんですが、普段はアートをやっていないような方でも価値のある作品を出品できるんだなと思いました。大きな可能性のある未来がすぐそこにまで来ているのだと、ワクワクしています!」

今回登壇いただいたオンラインサロン「CREA/Meetup」と「Chignitta」では、今後NFTについての勉強会も定期的に実施する予定とのことです。さらに深い内容を学んで活用していきたい方は、両オンラインサロンをのぞいてみてください。

 

CRECON7の開催に向けて